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置いときます

『避難所とビールの泡』メモ

2021/1/24に『避難所とビールの泡』という曲を投稿しました

 

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ニコニコ

https://www.nicovideo.jp/watch/sm38168177

www.nicovideo.jp

 

 

YouTube

https://youtu.be/Vq9EU5oXfFQ

youtu.be

歌詞です↓

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『避難所とビールの泡』

 

避難所に夜の鐘

よせよ火事はもうまっぴらだ

東からよい知らせ

東風吹かば三賢者

 

日々多くの労苦を背負ってんだ

針が擦り切れるまで

意味のない脳内の配慮

やだな、逃げたい夜だ

 

見てよ発泡酒 月の十重二十重に

覆われてるの

壺中別天地 もう呑もうじゃないか

この世はビールの泡

ビールの泡

ビールの泡

ビールの泡

 

寂しがり屋 集まって

生き延びるために

なけなしの倫理でどうにか

人間を演る

 

才を売るオウル

ほしいものリスト見せて

古い絵の中の町や

淡い夢

 

今日もクルセイダー気取りの

スイミーたちについばまれて

なんか擦り減っちゃったもう疲れたよ

いま傀儡は酔いにけり

酔いにけり

名前のない 涼しき夜に

 

土の中に生まれた命の羽根、羽根

夢の中で温めた

生命

生命の躍動

どうか 許して

 

終わっちゃったんかな俺らはもう

バカヤロー

まだ出発点にも至れてないぜ

 

夜の大宴会にもろびとこぞりて

杯をかかげ

今日も頑張ったんだ生き延びた

まだ声は聞こえるけれど

その日その時の欲しいもので

気が狂いそう

だって小物ですもの

僕なんて泡ですよ

いつか 消えちゃう小さな

我々ビールの泡

 

ビールの泡

ビールの泡

我ら我らビールの泡の上のビールの泡

我ら我らビールの泡の上のビールの泡

我ら我らビールの泡の上のビールの泡

 

避難所とビールの泡

ーーー

 

 

この曲の影響元などをメモしておきたくて、文章を書きました

自分でも変な文だなと思いつつ、発表しておいてもそんなに後で恥ずかしくはならないだろうなと思い、ここに置いておきます

  • この作品を作り始めたのは2017年10月ごろからだと思う(日記にある最古の記録が2017/10/23)
  • なので完成まで3年3ヶ月はかかってる

 

  • この当時は、よく『対象a』を聞いていた 1Aで小節おわりにポポンと電子タムが鳴るのはその影響
  • Ⅱm→Ⅲm→Ⅵm  というコード進行もその影響

 

  • メロディとしては Key C でいうところのラ→ミ という5度の動きが好きで 僕はこれを色んな曲に使ってる
  • 『ファンタジー』『星のレギンス』『月夜野』『キムラハウス』『森の近くのアトリエ』たちの冒頭
  • 『アンセムメーカー』のサビ

などなど

 

  • 『避難所とビールの泡』は『アンセムメーカー』でうまくいかなかった、もうちょっと頑張りたかったところを再挑戦してる面がある
  • なので避難所の「タカトン→いつか消えちゃう小さな」はアンセムメーカーの「猫の→タカトン→侵入」と同じことしてるし
  • お互いラストに「シャンシャン 避難所とビールの泡」「アンセムメーカーじゃんシャンシャン」とチャイナシンバルを鳴らすのもそう
  • アンセムメーカーは元々好きな曲だったのに、とりあえずこだわらずに発表するぞという感じであまり手間暇かけられなかった(動画に歌詞も表記されてないし、当時は本当に体力がなかった)
  • 避難所でその技をもう一回使いたい。もう一回やっても「またその技かい」とバレないだろう という思いがある

 

  • 他に影響うけてる曲に瀬名航さんの『セイクラベ』と青屋夏生さんの『死亡遊戯』がある
  • この2曲がそもそも好き
  • この二つはどちらもサビの頭のメロディが 音→5度上の音と 動く
  • Key Cでいうと、セイクラベは僕と同じラ→ミ 6→3の動きだとしたら、死亡遊戯はド→ソの1→5 の動き
  • 僕もよくやるのだけど、やっぱサビで音→5度上の音 に動くのはいい

 

  • 自分なりの『スメルズ』をやってみたかった、という思いもある
  • 2サビはスメルズのドラムとベースを真似してる
  • そのあたりで 「すり減っちゃった 疲れたよ」 とうんざりしてる感じに歌うのもカート・コバーンぽくしようとしてる

 

  • 他に自分なりの『遠い叫び』をやろうとしたという面もあり
  • 色んな好きな曲への憧れがこの曲に詰まってるんですね

 

  • この作品の歌詞の雰囲気に影響を与えてるのは2017/6月 にテレビでやってたザ・ノンフィクション「会社と家族にサヨナラ ~ニートの先の幸せ~」
  • この番組見たあとphaさんの口調を真似したり、銅蟲さんのツイートの文体を日常に取り入れたりなどして、とにかくこの界隈の人たちに憧れてた
  • phaさんのサイン会とか、銅蟲さんのトークライブとかにも行ってた
  • こうしてはてなブログを書いてるのも銅蟲さんの影響

 

  • とはいえ自分にこのギークな雰囲気はなく、どちらかというと「酒を飲んでる低所得者・浮浪者の集まり」みたいな感じの世界が表現されていった

 

  • 2番Bメロの「才を売るオウル」というのは、るろうに剣心の落人群のおじいさんみたいな「集まりの長」とかphaさんの「知恵あるもの 賢者」みたいなイメージ(ふくろうには森の賢者みたいなイメージがある)
  • 所々に聖なるワードや賢そうなワードをいれて「浮浪者なのになんか語彙が神聖」みたいなのをやりたかった
  • ジャン・ジュネの『泥棒日記』みたいに、言葉の力によって聖と俗の立場を入れ替えるみたいな
  • 「東からよい知らせ 東風吹かば三賢者」は東方の三賢者とか「東風吹かば匂いおこせよ梅の花」の菅原道真(学問の神様なので賢そう)を連想させようとしてる

 

  • 「ほしいものリスト見せて」にも「モノリス(『2001年宇宙の旅』に出てくる猿に知恵をもたらすもの)」をこっそり文字として入れようとしてる
  • でも文字を視覚的に切り取っても「ものリス」という表記になるし、メロディ的な発音としても「モノリス」の高低アクセントと違うのであまり効果はないと思う うまくいきませんでした

 

  • 「夜の大宴会にもろびとこぞりて」はクリスマスソングの「もろびとこぞりて」の文句と、最後の晩餐でみんなが酒飲んでるイメージを混ぜて、でもそれを浮浪者の集まりが再現してるみたいな映像を思い浮かべながら歌った
  • 聖と俗の境を曖昧にしたかった(なぜだろう?)
  • 浮浪者がやってることがなんだかたまたま聖人の動きをなぞってるみたいになってほしかった
  • さらにこの曲をクリスマスに投稿することで聖なる感を匂わせたかった(なんでだろう?)けど、間に合わず、約1ヶ月後の1/24投稿になった

 

  • ちなみに聖賢という言葉を辞書で引くと清酒と濁り酒という意味もある
  • ラストの「我ら我らビールの泡の上のビールの泡」はええじゃないかみたいに、言葉を繰り返して気持ちが昂揚する感じにしたかったけど、なんか洗脳ソングみたいな感じもあるなと思った
  • わちゃっと集まった浮浪者たちが火を囲んで夜の宴会をやってる感じ

 

  • 動画としての絵コンテ案は、案だけあって結局描けなかった
  • その中では噺家がやってきて この歌の世界を語り、最後にお辞儀して『避難所とビールの泡』と言って下げるイメージだった

 

  • 「土の中で生まれた命の羽根」あたりは、2005年ごろつくった歌のカケラみたいなもんで、気に入ってるのに使い途がなかなかなかった
  • 今回は、「なんかわかんないけど、命があるだけですごいんだなー」と思わせそうなので取り入れた
  • ノタタ時代には『まうをライブに連れてって』という曲の途中で「土の中で~」を使おうとしてたけど、その曲自体完成しなかった

 

  • 『ごめんね胃袋』の「月明かり入らぬ場所で戯画を描く」もそういう使い途がないけど好きな断片歌を使用してる
  • それはCメロという短く異世界を表現する場(それにより本来のサビのありがたみがわかり、またサビが聞きたくなったりするんだと思う)に使えるんだなと思った

 

  • 「酔いにけり」は劇場版攻殻機動隊のOPを真似してる 
  • その前に「今日もクルセイダー気取りのスイミーたちについばまれて なんかすり減っちゃったもう疲れたよ いま傀儡は酔いにけり」となってるのが「正義感で殴ってくるツイッターみたいな集団(「ついばまれる」は「鳥にやられる」を連想させようとしてる)に好き勝手やられて自分(操り人形 初音ミクも連想させようとしてる)は疲れたよ 飲みますよ」という流れなので 傀儡→攻殻機動隊っぽいなと思って取り入れた
  • 2回目の酔いにけりでシャンとなる鈴が、本来の大きい鈴ではなく子供用の小さい鈴なのは、この曲をクリスマスに投稿しようとしたから
  • クリスマスソング歌ってる園児の持ってる鈴の音になってる

 

  • 「終わっちゃったんかな 俺らはもう バカヤロー まだ出発点にも至れてないぜ」は『キッズ・リターン』のラストのセリフを、メロディに合うように改造して使ってる
  • 本来のセリフは「マーちゃん、俺たちもう終わっちゃったのかな?」「バカヤロー、まだ始まっちゃいねぇよ」 ここでスタッフロールが流れる 感動
  • 勇気づけられるセリフなので真似してしまいました
  • 僕も誰かや自分に勢いをつけたかったんだと思う

 

  • この歌の人たちはなんかSNS的な炎上とかがあって避難してる人たち(だから「よせよ火事はもうまっぴらだ」と言っている)ともとれるし、リアルな災害にあって避難所にいる人たちともとれる
  • それはいつの時代にも存在しうる場所だし、だれの身にも降りかかりうるシチュエーションなんだなと思う
  • なので普遍的ながんばるぞ(がんばるというか、いつか死ぬのか よーしいつか死ぬのか うおー となれる)ソングになってると思う

 

  • 僕の歌、特にボカロ曲はよく「死と再生」みたいなテーマをなぞってるような気がするけど、僕にそういうのを作ろうという意識はなく、なぜかそうなる
  • だめな状態から復帰したい、という気持ちがあるんだと思う

 

おわり

  • 自分が曲でやろうとしてることを文にするとえらく混沌とした、言葉に表現しづらいものが自分の中にあるんだなと いま書きながら思った
  • イメージ、みたいな、感じ、印象 が多くて とても頭の中がはっきりしてないんだと思う
  • 世の中に色んないいメロディ、ドラムパターン、歌詞、映画のセリフがあって、自分はそれをただ紹介してるだけでもあるなあと思った